西島悠也|福岡の餃子が旨いわけ

西島悠也

 

日本の餃子の歴史は意外と短い。
発祥は戦後満州からの引揚者が中心となって、独自の餃子文化を形成してきた。だから宇都宮や浜松、福岡など全国で有名な餃子タウンは、いずれも当時、軍の重要拠点があったり満州への開拓団を多く出していた地域なのだ。中でも福岡は、満州や朝鮮半島からの引揚港として国内最大だった博多港がある。
だからこそ福岡は餃子が美味いのだ。

 

福岡には餃子の名店も数多く存在する。
中洲にある【宝雲亭】が有名だ。
福岡のひとくち餃子の元祖と言われている。満州から引き揚げてきた初代店主が、現地の水餃子をヒントにひとくち餃子を作り始めたらしい。有名な長崎の「宝雲亭」も【宝雲亭】の暖簾分け店なのだ。
全国的に一口餃子ブームが起きていたのだがその火付け役は福岡だったのだ。

 

一般的な餃子の半分あるかないかといったぐらいの大きさで焼き目は強めにカリッとした状態に仕上げられていて、美味い。
そして口に入れるとカリッとした食感の奥から玉ねぎの甘みが一気に口の中に広がる。一般的な餃子にはキャベツか白菜が使われているが福岡の餃子は戦後間もない時代から玉ねぎがメインで使われているそうだ。隣接する佐賀県が国内有数の玉ねぎの産地だということも影響しているだろう。

 

福岡と餃子のつながりは深い!